「また粥…。いい加減飽きたな」
「文句言うな。私が用意してる訳じゃないんだ」
彼の食事は療養先である千駄ヶ谷の植木屋の人に任せている。
此処の人は松本の知り合いらしく、よくしてくれている。
「分かってるよ。頂きます」
沖田は観念したように小さく笑うと、粥を食べ始めた。
しかし、二、三口食べただけで手を止めてしまった。
「ごちそうさま…」
「ごちそうさまって…。二、三口しか食べてないぞ?」
「もうお腹いっぱいなんだよ」
療養先に来てから三週間くらい経つが、日に日に彼の食欲は減って行ってる。
それ程、総司は――。
美桜里は悪い方向に考えようとする頭を振った。



