「美桜里ちゃんが思ってる通りだよ。俺達は近藤さんのやり方は腑に落ちない」
「何故だ?」
「何つーか、嫌な予感がすんだよ。普通、旧幕府が急に大名の位をやるから甲州に行け、なんて言うか?」
近藤は旧幕府から甲州に向かっている官軍を鎮圧させれば、
大名の位を貰えることになっている。
確かに話が上手過ぎる。
【上手い話には裏がある】とよく言う。
「確かに引っ掛かるな…」
「だろ?」
永倉は彼女の同意の言葉を聞くと、一気に猪口の中の酒を煽った。
「でも、近藤さんには嬉しい話だろうな。あの人は農民の生まれだからな」
原田はつまみである煮魚を器用にほぐすと、口に運んだ。
以前、美桜里は誰かからか聞いたことがあった。
土方と近藤は農民の生まれだと――。



