「美桜里、ちょっと良いか?」 すると、原田が美桜里を呼んだ。 「ああ、大丈夫だ」 美桜里は膝に手を当て、立ち上がると、彼の後に着いて行った。 「まったく鈍感にも程がありますね…」 後ろから泉羽の呆れたような声が聞こえた気がした。 何が鈍感なんだ? 美桜里は泉羽の呟きが気になったが、構わず歩いた。