咲き舞う華は刻に散る



西本願寺――。



長州に協力的な寺院だ。



山南は武力で押さえ付けるような真似はしたくないのだろう。



だが、土方の言いそうなことはだいたい見当がつく。



土方の場合は長州の根城を潰せるし、広い屯所も手に入るから一石二鳥だと言うだろう。



おそらく、両者言い分は変えない。



そんなことよりも、美桜里は山南の様子が気掛かりだった。



立ち去っていく山南の背中は哀しく、沈んでいるようだったが、その中には何かを決意したような強い意志があった。



「嫌な予感がするな…」



美桜里は三毛猫を降ろすと、空を見上げた。



空は晴れていたのに、だんだん雲がかって来ていた。