「私は私の想いがある。けど、歪んでしまった…。歪めたのは兄様…、あんただよ」
「歪めたんじゃない、正したんだ。すべてはお前のためだよ、美桜里」
「違う…。私のためなんかじゃない。あんたはすべて自分の欲を私に押し付けてるだけだ」
桐生は彼女の言葉に顔をしかめる。
「何が言いたい?」
「あんたは私を狂わせる権化でしかない。だから…」
美桜里は桐生の頬を切った刀を握り直すと、彼にその切っ先を向けた。
「私はその権化を断つ」
美桜里の瞳に迷いはない。
彼が自分を駄目にすることに気付いたからだ。
それが、血の繋がった兄を殺すことだとしても――。



