「坊主、金目の物を出しな?出せば、見逃してやる」 こうやって、金目の物をたかられるのは夜の散歩では当たり前だ。 美桜里は面倒臭さそうに手を懐に持って来た。 その瞬間、閃光のように刀が抜かれ、一人の浪士を斬り伏せる。 「はい、金目の物」 確かに刀は金属で出来ているし、売れば高いだろう。 しかし、浪士が言った意味と美桜里の言っている意味はまったく違う気がする。