お前は要らない存在じゃねぇ――。 土方はそれを言葉に出そうとしたが、喉を締め付けられているせいで出来ない。 しかも、呼吸が苦しくなって来た。 このままだとまずい――。 そう悟った土方は力を振り絞り――。 「美桜…里…」 彼女の名を呼んだ。 お前の存在は要らなくなんかないんだ、という想いを込めて。 「ひ…じ、かた…?」 美桜里は正気に戻ると、気を失い、土方の胸に倒れ込んだ。