この夜も散歩に出ていた。 橋の欄干に寄り掛かり、笛を吹く。 それが美桜里の夜の日課だ。 人々が寝静まる夜に笛の音が響き渡る。 ふと笛の音が止んだ。 「またこれか…」 美桜里は笛を袂にしまうと、後ろを振り返った。 そこには浪士が数人、刀を構えていた。