「てめぇ、美桜里に何しやがった!?」
「さあな」
「貴様…ッ!」
「一君!」
珍しく斎藤が怒りを露にし、今にも抜刀しかねない形相で桐生を睨んでいた。
そんな彼を藤堂が宥める。
感情的になる土方達を桐生は馬鹿にするように鼻で笑う。
「土方と言ったか?貴様は美桜里の存在価値を分かっておらんな」
「存在価値?」
「美桜里は鬼の頭領だった父の血を濃く引く純血に近い混血だ。その力はこの世に存在している鬼に劣らない。もしかしたら、それ以上だ」
土方はカタカタと震える美桜里に視線を移した。
まだ幼さの残る少女にそんな力があるとは思えない。
しかし、今までの彼女の戦いを思い返し、納得してしまう自分がいた。
彼女は人間じゃない――。
土方はよぎる雑念を振り払うように、頭を振った。



