咲き舞う華は刻に散る



「あの言葉…、気にかかるな…」



あの言葉とは、美桜里が会津藩邸に行く前に土方達に残して行った言葉。



『私が帰って来なくても、会津藩邸には乗り込んで来るなよ』



この言葉は土方の頭の中で何度も繰り返し流れている。



まるで、彼女はこうなる事を予感していたかのような言い方だった。



「嫌な予感がするぜ…」



土方は茜色から藍色に染まる空を見上げた。



何故か、彼女が心配でならなかった。



女だから――。



それだけが理由ではない気がする。



土方は己の中で渦巻く不思議な感情を理解出来ずにいた。



すると、薄暗くなり始めている道に一つの影が現れた。