「この事は誰にも言わないよ。それに、君は醜くない…」 胸の前で交差された腕から彼女の動揺が伝わって来た。 彼女は今までどんな生き方をして来たのだろうか? おそらく、辛く、哀しい想いをして来たのだろう。 腕の中にすっぽりと埋まってしまう程、小さな少女には重過ぎる想いを――。 「美桜里さん、君はとても綺麗だ」 鬼と人間の混血だろうが、彼女は綺麗だ。 外見や中身、すべてを引っくるめて、沖田は美桜里を綺麗だと思っていた。