「いい加減離せ」 美桜里は左右から腕を押さえる原田と沖田の手を振り払うと、古高を見た。 感情のない冷酷な緋い瞳。 その瞳に睨まれた古高は肩を大きく揺らした。 そんな彼から視線を外すと、美桜里は頬に飛んだ返り血を拭い、蔵から出て行こうとする。 蔵の戸に手をかけると、急に彼女の動きが止まった。