「さっさと吐けば良いものを…」 自供しなければ、自分が辛い思いをするだけだ。 それなのに、仲間を守るために自らの身体を張る。 美桜里には到底理解できないもので人間は通じ合っているのだ。 「ふ…っ、くだらない…」 美桜里は鼻で笑うと、瞼を閉じた。 微かに聞こえて来る蔵から怒鳴り声。 それに耳を傾けながら、襲って来た眠気に誘われながら、眠りに堕ちていこうとした。