「今日は退く。だが、今度来る時は美桜里、お前も一緒だ」 そう言い残し、桐生は風と共に消えて行った。 美桜里は脇腹を押さえながら立ち上がると、土方達に背を向け、歩き出した。 「おい、待て。川綵」 土方に手を掴まれ、美桜里は不愉快そうに彼の方を向いた。 「お前とあの男は知り合いなのか?」 聞かないで欲しかった事を率直に聞かれ、美桜里は顔をしかめる。 答えるべきだろうか――? しかし、答えなければ、彼はこの手を離してくれないだろう。 美桜里は不服に思いながらも話す事に決めた。