「何がおかしいんだ、美桜里」 桐生は怪訝そうに彼女を見た。 兄妹揃って、両親を死に追いやった人間を憎みながら生きている。 それ以前にこの日ノ本に人間はどれだけ居るか分からない。 いくら美桜里が鬼の血が濃いとは言え、一掃するのは無理に近いだろう。 「いや、変わったね。兄様」 「は?」 「私は兄様に力を貸す気はないよ」 「ならば、無理矢理連れて行く」 突然桐生の強烈な回し蹴りが美桜里の脇腹を襲った。 美桜里はそれを辛うじて避けたが、別方向から再び蹴りが跳んで来た。