「父さん!母さんが…っ」 「…ああ。桐生、逃げるんだ…」 「でも、父さんは…」 「黎を…一人に、は…出来な…い…。それに、私もそう永くない…」 そう言って、父――、蘭は自分の胸を見た。 そこには崩れ落ちて来た柱が胸を貫いていた。 鬼である蘭でも心臓を貫かれれば、死ぬ。 「桐生…、美桜里を頼む…」 蘭は最後の力を振り絞り、彼を外に向かって投げた。 「がはっ!」 桐生は外にある木に背中を叩き付けられる。 急に肺を圧迫され、桐生は激しく咳込んだ。