咲き舞う華は刻に散る



聞き覚えのある青年の声…。




「おぉ、陽真か。入って来て良いぞ」




尚孝が聞き慣れた幼なじみの名前を呼んだことに疑問を覚え、美桜里は伏せていた顔を上げた。




「陽真…?何故、此処に…」





今、牢に入って来た家臣が幼なじみであることに違和感を覚えた。




陽真は藩の家臣の証である家紋のついた羽織を着ている。




農民の子である彼には有り得ない服装だった。




「何故かって?それはお前達の居場所を教える代わりに家臣にしてもらったからだよ」




美桜里の目が見開かれて行く。



そんな彼女の反応に陽真は小さく笑うと、すべてを話した。