それはさっきの着物とは違い、年頃の女の子という感じの物だった。 淡い桜色の布地に桜が描かれた着物と白の布地に淡い紫の菖蒲が目を引く着物だ。 美桜里はそれらを見て、顔を引き攣らせる。 恐らく、自分が着たのを想像したのだろう。 「やっぱり、買うの止め――」 「良いね!これ両方貰うよ!」 「(人の話を聞けよ…、この三馬鹿野郎共がッ!)」 藤堂にまた言葉を遮られた美桜里は拳をプルプルと震わせ、心の中で毒を吐く。 結局、男装用の着物と袴、女物の着物、計七着を買い、呉服屋を後にした。