「私はこんなに要らないぞ!?それにそんな金は――」
「金は近藤さんが持ってくれた」
原田は着物の袂からジャラと金の入った財布を取り出した。
膨らみ具合からして相当な金が入っている。
近藤の懐の深さに美桜里は呆気を取られた。
すると、美桜里の隣に居た藤堂がハッとしたように顔を上げた。
「ねぇ、左之さん!どうせなら、女物の着物も買おうよ!」
「はぁっ!?」
「良いな、それ!」
「金も足りそうだし、買うか!」
藤堂の意見に永倉と原田も賛同した。
「ちょっと待て!女の着物を着る暇なんて――」
「よし、店主!この子に合う女物の着物も見繕って」
「は、はい!」
藤堂が嬉々と店主に言うと、店主はパタパタと店内を回り、美桜里に似合いそうな物を二着持って来た。



