――……。


……。


翌日。

俺とあの子の関係を無邪気に聞いてくる龍輝をのらりくらりとかわし、
同時に、なんとなく一緒に居づらかった朔ちゃんとも離れる。

そうすると二人の近くに居る健ちゃんとも自然と離れてしまい…、




「大雅ー」


…なんでか知らないけど、その日は山ちゃんと一緒に居ることが多かった。




「なぁ大雅、この前のあの子と、その後どうよ?」


……コイツはコイツで、また面倒な奴なんだけどね。


「別になんもないよ」

「またまたー。“俺の女”宣言したんだろ?
女子の間で噂になってるよ?」


…あぁ、そういやそんなこと言ったっけ。


「それ嘘だから。
あの子が女子に絡まれて大変そうだったからさぁ、助けるために言っただけ」

「あれ、そうなの?
なんだよー、大雅にもようやく春が来たのかと思ったのに。

あぁあの子、お前と同じ中学だって聞いたけどほんと?」


……まだ聞くかこの野郎。




「まぁ、同じ学校だったけど」

「どんな出会いだった?
今後の参考にするから教えて大雅ちゃん」


…今後の参考、ねぇ…。




「…山ちゃんって、時々変な奴だよね」

「おぅ、誉め言葉として受け取っとく」


…やっぱ、変な奴。