辺りの壁が、自然の中に居るような風景に変わり
ハルキ君の顔が赤くなる。

「えっ…スタートするのにキッキスって…」

ハルキ君が自転車を降りようとすると、
ブ‐っと音が鳴り、
降りる事を阻止されたみた。

「…こっこのゲーム
クリアする迄出れないのかなっ?」

私が言うとハルキ君が少し泣きべそをかいた。

「えぇ…そんなぁ〜」

私は少し照れながらも
チュッっと
ハルキ君のおでこにキスをすると、ギィ‐っと
画面が切り替わる。 「自然の中を進むには
お互いにペースを合わせ
ペダルを漕いで下さい…」
目の前に自分の分身が現れ、ハルキ君の分身も写し出された。

着ていたのは、この学園の制服。

「さぁペダルを漕いで、この先に待ち受ける
愛を邪魔する闇をやっつけて下さい」

私はハルキ君と息を合わせペダルを漕ぐ…しかし少し呼吸がズレるだけで
止まってしまう。 「どうなって居るんだろう…?」

「ハルキ君何か
このシステムおかしくない?」

ハルキ君と顔を見合せ、とにかく、1、2、1、2、と漕ぎ進める。
段々慣れて来ると、山道に差し掛かる…すると
自転車が斜めに上がり
ペダルが少し重く感じた。
「ちょっと…
重いこのペダル」

ハルキ君と一緒に漕いでも中々前に進めず苦戦する。
「おっ重い…」

ハルキ君が何となく
自転車に立ち上がり、私もハルキ君の動作を真似し
自転車の上に立つ。

身体の重心を前に倒すと
今度はハルキ君が真似をし。山道を無事に登りきった。

山が終わると、
次は川…、川に細い木がありその上を渡れと言っている様だっ。

ハルキ君とゆっくり木の上を進み、
少し足が痛くなって来た。
「菜月さん大丈夫?」

ハルキ君が心配し声をかけてくれたおかげか、何とか渡りきった。

「自転車でのコ‐スクリアしました…次は自転車から降りて、次のダンジョンに移動してください」