突然の出来事に私の頭は 回転するのをやめちゃった みたいで 口を開けたままポカーンと 藤堂くんを見ていた 『何?』 もしかしてアパートだからって間違えてお隣の部屋に入って きちゃったのかな 『おーい、』 確かめないと……! 私は急いで玄関を出てポストの名前を繰り返し読んでみたけど そこには“水瀬”という文字が並んでいて 「……間違いなく私の家だよね」 独り言のようにつぶやいたら 後ろから肩を叩かれた