どうする?
どうするんだ?
あたしは覚悟して、玲くんに抱きついて"ぎゅう"をした。
流石に"ちゅう"は出来ない。
これで気づいてくれ。
どきどきが止らない。
しかし玲くんは…
「ふふふ。甘えっ子の君も可愛いね」
"ぎゅう返し"で反撃してくる。
するすると後頭部を撫でられた。
ああ、いつもあたし玲くんに抱きついていたから、いざという時には伝わらない。
もうこうなったら!!!
現実的な…"お試し"問題を持ち出して…。
「玲くん!!!」
「ん?」
「あ、あのね…」
にこにこ、にこにこ。
言いづらい…。
だけどがんばれあたし。
「"お試し"のことなんだけど…」
ぴたり。
玲くんの顔から笑みが引いた。
な、何で突然真顔になるの!!?
「"お試し"が…何?」
ど、どうして顔が険しくなるの!!?
どうして声音が低くなるの!!?
「あ…いやまた今度で」
完全逃げの姿勢のあたし。
握られたままの手に、力を込められた。
「言って」
逃げられない。
この話題は、今してはいけない禁忌の話題だったことを悟ったあたし。
何で禁忌か判らないけれど、玲くんにはNGだったらしい。
「芹霞!!」
あたしから振った以上、責任取るのが筋だよね。
だけどこんな状態で、はっきり言えるほど度胸が無く。
びくついて、顔を引き攣らせながら…
「い、いや…もうこんな状況でバタバタしてるし。もうこの辺りで…」
"本物にしちゃうっていうのどうかな?"
そう冗談っぽく、明るく聞いてみようと思ったのに。
「何で?」
最後まで聞かずにそう言ったということは、玲くんはあたしが何を言い出すのかくらい、きっと判っているはずなのに。
もしかして…
拒否されてる?

