何故、突如…予定を変更したのか。
変更するだけの何があったのか。
"電気"
何故それが理由になるのか。
久遠は険しい顔をしたまま…久涅を睨み付けていて。
「新アトラクションは、此処と此処の場所だ」
久遠が立ち上がって、久涅の言葉を制したが、
「…此処は俺に従って貰う」
久涅はそうにやりと笑うと、声を張り上げたんだ。
「この番組の…TBS以外の報道陣の皆々様に申し上げる!!!
我々は中継地点3つ目の場所にて記者会見を行う予定!!!」
久遠が、驚いたような顔を久涅に向けて。
「それに付随するものを順次中継していく。
もしご興味在るのなら、皆様もカメラを回しどうぞ後に!!!」
何を――
企んでいる久涅!!!
報道陣はざわめきだし、そして3分の2が追従の姿勢を見せた。
残留組は…Zodiacでも撮すのか、そのまま記者会見会場にていい席を陣取る気なのか。
記者会見は…何処だ?
確かあのFAXには書いてなかったはずで。
そんな俺の疑問を上書きするように、
「では行くか」
久涅はそう、久遠に笑いかけた。
それは愉快そうで――
同時に、憐憫と憤怒が混ざったような…
そんな複雑な笑みに見えた。
「せいぜい…頑張れよ?」
それは――
不穏の到来を告げる言葉。
何をしようとしているのか。
その言葉に久遠は拳を握りしめ――
俺は唇を噛みしめた。

