会いたい。
芹霞に会いたい。
電波越しであろうとも。
繋がりたい。
愛しい芹霞と。
叫びたい。
お前が好きだと。
愛していると。
言葉が出ないのなら、
俺の身体全てで叫びたい。
「師匠も元気かなあ…」
今度は――
胸が締め付けられるように痛んだ。
玲…。
――紫堂櫂を愛してる!!
あの場所に玲も居て。
玲は…多分、俺の為に次期当主になって…
蔑まれているはずだ。
俺の力が及ばない中、あいつは――
どんな思いでそれを堪えているのか。
――約束、して欲しいんだ。
――紫堂櫂を愛してる!!
狭間。
境界。
今、苦しんでいるのは…誰だ?
俺は…いいのか?
こんなに浮かれていていいのか?
唇を…噛み締めた。
自分勝手すぎる。
俺は――
玲を苦しめたい訳じゃないんだ。

