僕が今――

していることは何なんだろう。


僕は一体何をしたいのだろう。



櫂との約束を守りたい

芹霞を守りたい。


だけど"僕"の――

断ち切れぬ、邪な欲望は渦巻いていて。


それを狂気というのなら、

"僕"は確実に育っている。


切迫感に喘ぐ僕は…

"僕"に取り込まれようとしている。


ざわざわとざわめく狂気が、僕を煽り立て――

僕が破滅させられそうだ。


欲望だけに暴走して――

芹霞の純潔を力尽くで奪ってしまいそうだ。



考えるべきことはそれではないのに。



僕がすべきことは。



すべきことは――。


すべきことは――…?



思考が乱れ、夜も眠れない。


考え出せば狂い出しそうなんだ。



蔑む目。

人前での罵倒。


そんなものはとうに慣れている。


その対処方法は…経験から学んできた。



だけど――

僕の芹霞が…他に惹かれていく様を見せつけられて、平静にはしていられなくて。


それが櫂と同じ顔で。


櫂を追い詰めた男で。


僕が跪いた男で。


どうして、どうして!!?