「…代わり?」



「そう。永遠を誓えるだけの、

運命の相手――…」



どきん。


あたしの心が動揺した。



「"消えた"相手の代わりなんて御免だ。

戦って…勝てたのならまだしも…」



久遠は…何を言っているのか。


「オレだって…男だ。


矜持が…許さない」



そして、僅かに身体を震わせ…



「消えてなくなるものなど…


オレはいらない」



その顔をゆっくりと…



「だからといって…


認めたわけではない」



横の茂みに向けた。



そしてあたしは気づく。


いつの間にか人影。



敵!!!?


――じゃない。



黒。

何処までも漆黒。


腰まである長い黒髪と、長いスカートを、冷たい風に靡かせて、颯爽と現われたのは――。



「探し出したか、

――凜…」



憂いの含んだ切れ長の目。

整いすぎたその顔。


久涅によく似た顔の…

凛とした眼差しを持つ長身の美女。


メイド服の女が――

驚いた顔で立っていた。