pierce,prince





「お前…俺がどんだけ海のこと
想ってるか、わかってんの…?」



そんなの、わかるワケないよ。

葵のことは、
わからないことだらけ。

普通のファンよりあたしのほうが
って、そう
意気込んではいたけど…
実際、知らないことなんて
たくさんありすぎて。



『───‥葵が、わかんない。』



わかんないよ。



『葵が何を考えてるのか、
ぜんっぜんわかんないしッ…
わかんないことだらけだよ…!』



「俺だって、海がわかんねぇよ」



そう言いながらあたしを
ぎゅっと抱き締めてきた、葵。

わかんない…

ただ、あたしの心は
甘く跳ね上がる。

忘れようとした
でも
忘れることなんか、できない。




「…お前が、何を考えてんのか
わかんねぇよ…」



あたしが考えてることなんて…
そんなの、簡単なことだよ。



『…好き。』