月虹 Just the way you are




「て…ぇが……か?」



相手が口を開いた


だけどその声は小さくて、周りの人たちの騒音ですぐにかき消された


全然聞こえない



「…っ………けた」



相手はあたしが聞こえているものだと思っているのだろう


一向に話し続けている


まあ、しかたないのかもしれないが


いくらここが明るいからといっても、深くかぶったフードがあたしの顔を遮断している



見えたとしても口元だけだろう