「それじゃあ、また放課後迎えに来るね」



そう言ってあたしを教室に送り届けてから、女子たちの集まる道の真ん中を通って自分の教室へと帰って行った。

そんな祐斗に送り届けられたあたしにも視線は集まる、けれど視線を感じた方向を向くとみんな目をそらす。

どうやら眼力だけで十分嫉妬の目からは逃げられるようでなにより。

こんなことは子供のころから年中あったから慣れている。



授業を受け、放課後になると、すぐに祐斗が迎えに来た。

早くも噂になっているだろう祐斗は、廊下を通るだけで周りがざわつく。



「かれん」



まだ慣れないその呼び名で呼ばれ、鞄にケータイをポイと入れて祐斗のもとに行った。



「行こうか」



そう言って祐斗はあたしの手を取り、握った。



「……なにコレ」



あたしは眉間にしわを寄せる。

手を繋がれるなんて思わなかったから。



この男は一体何を考えているのか。

振りほどこうとしても全く離れない。



「離せ変態」

「嫌だよ。かれんが他の男のところにフラフラついていかないように繋いでいないとね」