女子には優しくしてるのに、話しかけたら逃げるし、話しかけてきてくれないし。

レンだってバレてないはずなのになんで怖がるんだろう。



「かれん」



女子の黄色い声の後ろから現れる、祐斗。

いつも通り、中学の頃から変わらない、八方美人。



ただ……。



「……むずがゆいキモイなんか用?」

「ははっ、今日も俺のお姫様はお口が悪いね」



きゃー!!と女子の歓声が上がる、なんで!?

キモイキモイキモイキモイキモイキモイきっもい!!!

なんかぞわぞわきたわ!!



「キモイ来ないでマジ無理勘弁してよ……」

「やだなぁ、お昼くらい一緒に食べさせてよ。ね?」



ここ数日でいきなりスキンシップが増えた祐斗。

もちろん、恋人の振り……という名目のもと……。



あーもう!

むずがゆい!!



「さぁ、行こう」



にこ、っと笑ってあたしの腕を掴む祐斗に、キャーという女の高い声が教室中に響く。

その顔とは裏腹に、腕を掴む力が強い。

そしてあたしは連行された。