次の日、あたしは祐斗の言っていた意味を理解することになった。



「おはよう」



そう言って爽やかな挨拶をしてきた祐斗。

彼は門に立っていた。



「……なにしてんの」

「なにって……迎えに決まってるでしょ、女王様」



ニコっと、エセ紳士笑顔を見せた祐斗。

でも今は外だし、親たちもいない。

そして『女王様』と言ったことから、昨日話していたことをすでに実行しているのだと気付いた。




「きも……」

「今日もお口が悪いですよ、女王様」

「その女王様ってのやめてくんねぇ?」

「そうだね……かれん」



鳥肌が立った。



「我慢しろ、かれん」

「……こういうことか」

「かれんは自分に合わないって名前を呼ばれることを避けてたよね。でも我慢」

「やめてくれ、マジで。似合わないんだってば」



かれんて名前はあたしには似合わない。

だってあたしは男より強いし、喧嘩もするし、女の子の要素なんてない……。



「似合ってるよ。だってかれんはかわいいから」



ぽんと頭に乗せられた手が、左右に撫でる。

それが恥ずかしくて肘鉄をくらわせようとしたけれど、腕を取られてしまった。