『また溜まり場に出入りしてるとこ見られた時困るだろ。とりあえず考えとけ』



そう言われてから学校の校門をくぐったあたしたちは、その後無言で席に着いた。

誰からも喧嘩を吹っかけられずに、一日が終了したところを見ると、早速祐斗が何か小細工したのかもしれない。

祐斗は女子に囲まれ、そのためかあたしは一日目で友達ができなかった。

というか、ちょっと遠巻きに見られてたから、殺気が隠せなかったのかもしれない。



殺姫……どうしようかな。

祐斗の女……というか、まず誰かと付き合うっていうことすら考えたことなかった。

当たり前のように祐斗の隣にいたけど、あの下僕共……いや、溜まり場のグループの中にいたけど、誰一人としてそんなフラグが立つような奴もいなかった。

あったのは『尊敬』

対等だったのは祐斗くらいだし、そう考えると……。



え、でも祐斗と、付き合う、とか、何すればいいのかわかんねぇ。

一般的な女子って何すんの?

手とか繋がなきゃいけなくなったりする?



そんなことに一日中悩まされていた。