「……頭沸いた?」

「あ?それ喧嘩売ってるつもり?」

「だってあたしを女って認識したっつーことでしょ!?ついに男もイケるようになったってわけ!?」



……あ、いや、あたしは女だけれども。

果てしなく男に近いけれどかろうじて性別は女だけれども。



あはんうふんしてるその辺の姉さんと違って、あたしには女らしいカケラの一つもない。

祐斗が欲求不満でついに男女見境なくしたとしか考えられない。

そう、考えていたけれど。



「お前何言ってんの?」



ぷに。

言いながらあたしの少々残念な胸に何の躊躇いもなく手を当ててきた祐斗。



「かろうじて出てるんだから女だろ。男なんて頼まれてもしたくねーよ」



ぷに。

ぷにぷにぷに。



「Bカッ……」

「わあああああああああああああああ!!!!!」



突然のセクハラに少々何が起きたのか理解が遅れたけれど、気付いてからあたしはベットから落ちていた。

なんの色気のかけらもない。

普通こんな場面なら「きゃー」が妥当だろう。



「スカートの下にスパッツかよ。色気ねーな」

「見んなバカ!!!」



落ちた時にスカートがひらりめくれていた。