「それは問題Aって意味。A、B、C、って用意してあるから。ふふっ」 「も、もしかして……。段々難しくなるとか言うんじゃ?」 「イエス!」 姫子は持っていたペンを片手でくるりと回した。 彼女の言いぶりだと、「A」のこの問題は、最も難易度が低いということになる。 ここでつまずくことは、これ以上ない屈辱と等しい。 「……くそおっ!」 一気にエンジンがかかった匠は、目を虫眼鏡のようにして、再度メモに集中した。 ――絶対解いてやるっ!!