――お姉ちゃん……。 十分だなんて嘘だとすぐに分かった。 けれど、匠は姫子の優しさが素直に嬉しかった。 責任を感じたからといって、楽しみだったことをきっぱりと切り捨て、面倒を見ようとする。 自分なら同じ選択肢を取れるだろうかと自問すれば、自答はNOだった。 ――偉いんだなあ、お姉ちゃん。 タレントとして人気が出るはずだ。 匠は心から納得した――。 。● What is this mysterious taste?