(……んぐっ!!) 姫子に見えないよう、顔を背けてしかめる。 「で、でも……」 「お姉ちゃんのせいじゃないからね。だいたい病院なんて大げさ。ボク嫌いだし病院」 病院へ行くほどの事態となれば、姫子の感じる責任の「桁」が変わる。 念のため程度の騒ぎなら、どこへも行かずに同じ屋敷にいたほうがいい。 だからこそ、匠は病院行きを拒んでいたのだった。 「それに、ボクが行けばお母さんもついてくるし。そしたら、謎解きのドラマの内容とか答えとか分からないままじゃん。そんなの、死んでも嫌だ!」