妹のほうは、見たことがない顔だ。 同級生ではないのだろうか。 「あっ、あの。私たち、ちょっと喫茶店探してて……えっと、知りません?」 妹の説明に違和感があり、首を傾げる。 「家、この辺じゃないの?」 たずねると、妹は「ううん」と否定した。 「私の友達がこの地域に住んでるから、途中で駅を降りてちょっと寄っただけで。その帰りにお姉ちゃんに会ったから……土地勘ないんです」 確かに、カフェの類は駅前に集中していてこの辺りにはほとんどないが、ゼロではない。