━━Ⅰ━━ 高校で授業を終えた月曜日の放課後。 「寒いな……雪降りそうだな」 いつもは透明な息が、冬だけは白く姿を現す。 どこで油を売っているのか、昼間の陽はどこを探してもない。 灰色の空を見上げて緩んだマフラーを絞りながら、コンビニに入った。 そして、母親に頼まれた燃えるゴミ袋などを買って帰る途中、突然後ろからスクールバッグを引っ張られた。