暗号の出し合いはしばらく続いたが、やがて、不参加だった宗が「解読できたぞ」とタバコに火をつけながら宣言した。 「ほ、本当ですか?宗先生」 「ああ。まさに暗号みたいなもんだ。『呻』の文字がヒントなんだよ。なんで漢字なのかが重要だったんだ」 頬をすぼませると、煙草の先が赤くチリチリと燃える。 宗は、親指みたいな人差し指でメモ紙のあちこちを指さし始めた。 「ほれ、ココ、そしてココもココも。何か気づかないか?」 「……あっ!!もしかしたら、先生がおっしゃりたいのは……」