━━Ⅰ━━ 全員が息を飲む中、悠々と、そして静かに匠の声がたゆたう。 「どれから話そっかなあ。犯人の他に分からないことって、ダイイングメッセージ、なんで両手をグーにしてたのか、あとは、えと、なんだっけ……」 「油まみれの理由だな」 酒臭い言葉が教えてくれた。 匠は苦い顔をしながらも「そうそう」とうなずく。 「じゃあ問題!みんなは、なんで階段とか身体に油かけたんだと思う?」