「そっかそっか。思ったよりいい人なんだね、田中秋って」 「そうなのよ。すごく気さくな人で、一気にファンになっちゃって。だからって、一度共演したくらいじゃコネもないし。だったら応募するしかないでしょう?」 「それで当たるなんてすごいねえ!タレントパワーだ!」 匠が親指をグッと立てると、姫子も同じ仕草をして、 「タレントパワーなのだあ」 小さな親指にぴたりとくっつけて、笑顔を浮かべてくれた――。 。● What is this mysterious taste?