「それは……御手洗いに……」 「変だな」と宗は頭をかきむしる。 「客室にはトイレが備え付けられてるから、そこでやりゃあいいだろう。なんでわざわざ外に出る必要があるんだ?」 宗の指摘に、全員が香苗を怪訝な表情で見る。 「う、疑ってるんですか?ワタシはただ……客室の水があんまりよく流れないから、仕方なく外に出ただけですっ」 「ふうん。まあ確認すれば分かることだ。じゃあ次は――」 匠と真紀子、そして浮夫がアリバイを聞かれ、それぞれが部屋にいたと答え、最後に秋のアリバイが問われた。