匠が眉間にしわを寄せながら凝視しているのは、姫子が命懸けで残したダイイング・メッセージのメモ紙だった。 奇妙な死体の謎は結局解けず仕舞いで、まずはこの解読を優先していた。 「なあ匠くん」 「うん?」 「さっきから気になってるんだけど、この『C』ってのはなんだい?」 テーブルに置かれたそれを怖い顔で見ているのは、匠だけではなかった。 質問してきた浮夫を含め、この場にいる全員が前のめりで挑んでいた。 「問題Cって意味だよ。問題Aと問題Bは、これとこれ」