━━Ⅲ━━ 嵐だった空は、匠が正気を取り戻すのを待っていたかのように去り、小雨に変わった。 空調が効いていなかった広間に、開いた窓から風が入ってくる。 しばらくすると、幾分か涼しくなってきた。 「どうだ?解けたか坊主。にらめっこがずっと続いてるが」 「……解けてたらこんな怖い顔してないでしょ。いじわるおじさん」 「わははは。生意気なやつだ」