次の日、いつも通り家を出ると、優心がいた。
「おはよ、優心」
「はよ」

「そういえば、昨日じぃちゃんになんで能力がなくなったか聞いたんだ。
なんか、奇跡的に能力が消えるってこと、あるらしいんだ!」
「そっか。じゃぁ、優心はラッキーだったってことだね」
「あぁ!ホント、嬉しいよ」

おじぃちゃん…、ちゃんと誤魔化してくれたんだ。

ありがとうございます…。

あたしは心の中で、お礼を言った。

「優心が嬉しいと、あたしも嬉しい」
そう言うと、優心は笑顔を見せた。

ほら、もう…感情が芽生えてる。
“嬉しい”
それから……

“愛しい”

優心、あなたは本当に凄いよね。
あなたの存在だけで、感情が芽生える。