「えっと…?何でしょうか?」

内容を聞いてなかったため、何の話だと二人を交互に見る。


「…満月にアンタの中に眠る奴が表に引き寄せられる。そのことについては教えられてないようだが、細かいことはどうでもいい。」

チラリと和服の人は真太郎に睨むような視線を向け、

話を続けた。


「夕菜様に体を引き渡せばいい。」


「俺達は夕菜様が必要なんだ、アンタの中に眠る夕菜様が。」


ドクンと心臓の音が聞こえた。

「それはどういう…ことですか?」


夕菜様という言葉に脳のどこかがチクリと痛む。