先ほどまで料理をしていたのだろう、赤い血のようなものがついた
包丁を拾ってカバーをはめた。
和服の人の後ろにいるため、見えにくかったがホッと安堵した。
「真太郎…人に刃物を向けるとは失礼な。これは躾ける必要があるな。」
「(逆効果だったか…。)」
真太郎は若干青くなっていたが、強気になっているところを見るのは2回目。
一回目はクラスメイトに苛められてた時だったかな。
その時の真太郎はかっこよかった。
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『やめろよ!』
『何コイツ?チビのくせに何が出来るんだっつーの。ははは!』
『…黙れ!…………。』
小さく呟いて先ほどまで笑ってた子達を追い返した。
ずっと泣いてた私を『南はおれが守るから!』と言って
助けてくれたのを覚えてる。



