「ほむ。やっと行きました。」
「えっと…?」

今一理解できていないでいると、顔を近づけた。


「あなた、覚醒してないでしょう?」


どういうことなのか、さっぱり分からないけど、私と話したかったんだと思う。

その表情を読み取ってか話を続けた。


「覚醒しているのであれば柑橘系の匂いがするんです。しかし、もう解けても可笑しくないないのにまだ覚醒する気配もない。変ですね?」


一瞬キラリと光った気がする。


言い終わるのが速いか和服の人はヒョイッと避けた。

「チッ」と舌打ちが静かな空間に響く。