目を見開き、苦しそうに心臓の近くを掴んだ。 遠くから観察していた真太郎は、何かが分かったような顔をしていた。 「アンタ、とり憑かれてる。」 とり憑かれてるとハッキリ言った真太郎に、意味が分からなかった。 霊、妖怪……。 私はそういうものは一切信じないタイプ。 だけど、真太郎は猫の妖怪、だ。 信じたくなくても、わたぬき、わたぬきのお母さんも、 妖怪だ。